こんにちは!神奈川で自然栽培に挑戦中のいずみです!
今回は自然栽培の革命児である道法正徳さんのセミナーに参加してきました!
慣行農法が99%を占める現在、自然栽培はまだまだ発展途上です
有名な自然栽培のパイオニアといえば福岡正信さん、木村秋則さんなど農法も炭素循環農法など多用を極めます
しかし、実はそのほとんどが自給自足や家庭菜園ベースのものになっており専業農家での成功例はほとんどありません
そんな中農家の収益を上げることを第一に考え、無肥料栽培(最終的には無農薬を目標に)を推し進めているのが道法正徳さんです
道法さんは自身でも広島でレモンを作りながら、日本中から世界にも裾野を広げて技術指導を行っています
すでに10回近くセミナーに参加している僕が内容を解説します
全国から農家が集まる道法スタイルセミナーの内容が気になる方は、ぜひ最後まで読んでください!
- 世界を変える道法スタイルとは
- 自然栽培セミナーの内容【座学・実習】
- 無肥料栽培を学ぶべきか
道法スタイルとは
「DOHO STYLE」とは簡単に言うと、枝を垂直にし葉を縛り育てる農法のことを言います。植物とは本来「光をよく当てる」「土壌を良いものにする」「質の高い肥料を使用する」などが通説として考えられています。ただ、植物の成長を促す効率のいい方法は、ジベレリン・サイトカイニン・オーキシン・エチレン・アブシジン酸の5つの植物ホルモンで刺激してあげること。「DOHO STYLE」は枝を垂直に縛ることによって、植物を刺激し、より育ちやすい姿勢にする方法と言えます。
株式会社グリーングラスHPより引用
前述しましたが、道法さんはただ自然栽培を普及する思想家ではありません
自然栽培にすることで農家のコストと手間を減らし、楽しく生きようというのが道法さんの姿勢です
どちらかといえば指導員でありコンサルタントといえます
無肥料無農薬にすることにより
- 【農家】肥料代と農薬代をカットした上、無肥料無農薬は高く売れるので利益が上がる
- 【消費者】肥料と農薬を使わない安心安全の野菜で実際身体にも良い
- 【環境】肥料が土壌や水質を悪化させることがなく多様性が保たれる
これが本当の三方良しなんだ!無肥料栽培普及して欲しいな
ちなみに僕の主観ですが、ほとんどの農家は農業で大きな利益は出していません
一袋百数十円の野菜を売り、その中から農具代や農薬代や肥料代を出さなければいけないからです
特に最近は肥料の値上がりが顕著で、もはや化成肥料は輸入されないんじゃないかとも言われてる
綺麗事抜きで農家もある程度の利益を出していかなければ、今後数十年単位で見た場合国産で安全安心の農産物は全滅します
もちろん僕の主張は少し極端で、大規模農業や都市農業で考え方は変わります
まずは肥料と農薬を減らして少しでもコストカットをしていきたいですね
確かに肥料と農薬代が掛からなければ大きなコストカットになるね!
それでいて作物や環境にも良い影響があるんだ
無肥料だと良いことがあるの?
無肥料無農薬栽培を始めれば金銭的なコストや手間も減ります
それと同時に、肥料は硝酸態窒素として地下水に溶け出してやがて海を汚染します
実例として、お茶の栽培で有名な静岡県では地下水が飲めません
お茶の生産では柑橘の数十倍肥料を使用するため、硝酸体窒素の値が10ppmを超えて飲用不可となっています
せっかく日本は豊かな水資源があるのにもったいないね
一般的に、農薬は悪で肥料は有機肥料ならば正義というふうに考えられています
僕も目を引くために無農薬を前面に出したりしますが、実際は肥料が悪で農薬は日光で分解されるためそこまで悪というわけではありません
農薬は中学生が隠れてちょこっとタバコ吸うようなもんだけど、肥料は中学生がドラッグやるようなもんじゃ
道法スタイルでは肥料より植物ホルモンが重要だと考え、いかに植物ホルモンを活性化させるかがテーマになっています
無肥料栽培が世界の農業を変える!!
現在世界では、肥料を使い続けてきた弊害が表面化しつつあります
この問題は化成肥料・有機肥料関係なく起こっています
例えばサウナとムーミンで有名なフィンランドでは、寒いため作れる作物が限られているので畜産が盛んです
その多すぎる糞尿は本来肥料として使えると思われていますが、アンモニアとなって海に流れ魚が獲れなくなっています
最近はみんな遠洋漁業で疲れてるみたいです
オリーブが有名なイタリアでも、肥料と剪定の問題から思った以上の収量が上がらなくなってきており、実際に道法さんが指導に行きました
この話はマル農の人でも少し触れられてたね
この様に肥料の有害性は世界でも認知されつつあります
日本も世界も農業技術はほとんど同じ
そのため同じ問題が表面化しており、ますます無肥料栽培の重要性が高まっています
肥料の値上がりもあるし少しでも無肥料栽培の知識があると良いよね
自然栽培セミナーの内容
道法スタイルを知らない方も多いと思うので、だいぶ前置きが長くなりました!
それでは今回のセミナー内容の解説です
【肥料の5大要素】
皆さん肥料については理解されているでしょうか?
道法スタイルは無肥料を原則としているためセミナー参加者にはよくわかっていない人も多いです
肥料がないと育たないって普通は思っちゃうよね
こういった考えの人も多いため、最近は一般的な肥料の効果について説明しています
そしてその一般的な考えは、道法さんが農協の技術指導員だった際に全て試した経験とあらゆるデータから否定しています
詳しい説明はセミナーに託します
ちなみに肥料の5大要素は、窒素・リン酸・カリウム・カルシウム・マグネシウムでそこに微量要素などが加わります
道法さんによると根本的に効いているのは窒素肥料のみで、それも多くの弊害が生じます
【植物ホルモンの5大要素】
道法スタイルでは植物ホルモンを重視します
現在の研究では「肥料が直接野菜の生育に影響を及ぼしているのではなく、植物ホルモンが関係している。」というのが定説です
重要な植物ホルモンは5つでジベレリン・サイトカイニン・オーキシン・エチレン・アブシジン酸が重要です
それぞれ非常に重要な役割があるのですが、かなりボリューミーな解説になりますので次回以降の記事で解説します
元気ホルモンのジベレリン!虫除けホルモンのエチレン!ここら辺が超重要
【窒素肥料の弊害】
窒素肥料は雨で溶けると微生物に分解され硝酸態窒素やアンモニアとなります
植物はアンモニアを分解して成長の栄養としますが、もちろんデメリットも存在します
分解しきれないアンモニアは、木を守るために果実に溜まります
アボカドの中の黒いのはアンモニアだから無肥料だと綺麗なアボカドになる
また、植物に吸収されない分は硝酸態窒素として地下水に流れ最終的に海を汚染します
いやー最近キツイっす
【道法スタイルの剪定】
道法スタイルでは植物ホルモン重視の剪定を行うため、一般的な剪定法とは真逆を行くものとなっています!
一般的には短梢剪定や開心自然系剪定などを行いますが、道法スタイルでは長梢剪定や切り上げ剪定となります
肥料をやらない分剪定で植物ホルモンを活性化せてあげます
道法さんが剪定したブルーベリーは見事な鈴成りだったし、広島のレモン畑も見事だったよ!
座学ではプリント+スクリーンで勉強するよ
この日は極寒で外の作業場でやったから終始震えてました笑
今回のセミナーでは畑に様々な植物がありましたので、それぞれ特徴を説明しながら剪定などをして回りました
【柿】
こちらは以前切り戻して別の柿の枝を高接ぎしたものです
・高接ぎのタイミングは3.4月が適切
・1年経ったら高接ぎ用のテープを外す(テープが食い込む恐れがあるため)
・高接ぎのメリットは苗だと通常3年は収穫できないが2年目から収穫できること(流行に乗りやすいし収益化も早い)
こちらは大きくなりすぎたので、ぶった切った柿です
・何十本も芽吹いてくるので、数本に芽欠きする
・太くて長い元気な枝だけ残す
・弱かった枝は半分くらい切り戻す
【いちじく】
いちじくは結果母枝だけを残す剪定をします
理想は1mある枝を残し、他は切り落とすか半分ほど切り戻しして強い枝にします
これを長梢剪定と呼びます
なぜ長い枝中心になるかというと、短い枝だと花ばかりついて木が弱くなるためです
【ブルーベリー】
基本的にいちじくと同じで結果母枝を残します
結果母枝は50cm以上が好ましいです
ブルーベリーは細かい枝が多く出ますので、夏頃に芽欠きをしておくと後が楽になります
残念ながら真夏は暑すぎてセミナーが行われなかったため、完熟した果実は食べられませんでした
【ぶどう】
ぶどうは一般的に、短梢剪定+棚栽培です
道法スタイルでは、長梢剪定+垣根仕立てで管理します
垣根仕立ては最近道法スタイルで取り入れられた栽培法ですので、気になる方はぜひセミナーへ!
ちなみにぶどうは無農薬が難しいらしいですがキャンベルアーリーとベリーエーは簡単らしいです
垣根栽培にする理由としては、重力と引力で移動する植物ホルモンがスムーズに流れるためです
また、棚栽培だと上を向いたままの作業になりますが垣根仕立てでは前を向いて作業ができます
【レモンの苗木の管理】
道法スタイルといえばレモンの栽培!
ここでは2年目になるレモンの苗木が植えてあります
完全に無肥料ですが1年で2mほど伸びていますね
無肥料レモンの植え付けや管理に関しては、僕の畑にも植えてあるので今後詳しく発信します
今回冬の寒波が来るということでワラが巻いてあります
レモンはマイナス3度で枯れてしまうため寒さの管理は非常に大切です!
自然栽培セミナーに参加すべきか?
ここまでお読みいただきありがとうございます!
全て読んでくれた方は確実にセミナーに参加すべきだと思います
ただ、値段も6000円ほどしますのでまずは最後に紹介する道法さんの本を読んでから判断しても良いかもしれません
・今後無肥料栽培を考えている
・植物ホルモンの考え方を詳しく学びたい
・従来の栽培方法で収益が上がっていない
こういう方はぜひ参加していただきたいなと思います
ちなみに僕はマル農の人を読んですぐに岐阜のセミナーに参加しました!
3月ごろは剪定の時期で道法さんも全国でセミナーを行いますので、お近くのセミナーを探してみてください
セミナーの詳しい日程は道法スタイルオンラインサロンでお知らせしています
金井真紀さんというライターが道法さんを取材して書いた道法正徳伝記本
技術書ではないが道法さんの理論がわかりやすく学べる
道法さんは無肥料や剪定方法も従来のやり方と真逆なので農協の中で何度も左遷させられる
それでも農家の利益を優先して自分を貫く姿が爽快
とっても面白くてしかも自分にもできそうと思えたので、道法スタイルの栽培法の本まで買ってしまいました。
道法さんが農協に在籍していた際ペンネームで出版した技術書(川田健次)
剪定のやり方を中心に苗木の管理や貯蔵方法などが詳しく記されたバイブル
この頃は各方面に配慮して肥料を施すよう書いてありますが無視してOKです
野菜だよりでの連載が書籍化されたもので、数十種類の野菜の道法スタイルでの育て方が紹介されています
堆肥も肥料も使わず、植物の持っている力を最大限引き出す栽培方法が紹介されています。家庭菜園なので失敗しても元々だと思い、ただいま実践中です。ほんとに肥料をあげなくても大丈夫?と心配もしつつ、成長していく姿を楽しみにしています。
畑で見返したくなるためKindle版での購入がおすすめです
僕はKindle版と書籍どちらも持ってます!
道法さんが運営するオンラインサロン
月額:1000円
コンテンツ:道法さんのメルマガ・全国の農家が生産した道法スタイルの作物を割引で買える・セミナーの詳細
交流:メンバー同士のFacebookグループに入れるので、実践者の間で情報交換できる
道法スタイルカップなども開催されていてとても楽しいです!
自分だけだと作れるものに限界があるから、他の人の情報共有は勉強になるよね
まとめ
僕が実践している道法スタイルの紹介でした
ほぼ毎月ペースで道法さんのセミナーには参加しているので、これからも勉強したことを共有していこうと思います!
道法スタイルセミナーは大体だいたい10:00〜16:00あたりでやっていますので気になった方はガンガン行動していきましょう
そして僕と一緒に情報共有して頑張ってくれると嬉しいです
道法スタイルの仲間募集中ーー!また別の記事でお会いしましょう
いずみ
神奈川で野菜をつくっている19代目の農家。
地球のためにも健康のためにも自然栽培を広めたいと考え、ブログでの発信を始めた。
普段の畑とは別に、小さい畑で自然栽培を実験中。
昨年レモンを植えてテンションが上がっている。
好きな漫画はスラムダンクとワンピース。